五月病の漢方的対応

 

2012年5月        

5月となりました。
5月はゴールデンウィークなどがあり、レジャーに旅行にとても楽しい季節となります。

しかし一方自律神経系の病気が増える時期でもあります。
その筆頭が「五月病」といわれる神経系疾患ですが、今月はこの五月病などの自律神経系疾患について記していくことと致しましょう。

 

五月病は、新入学の学生や新入社の社会人などが、入学・入社の緊張から解放される5月に起こす神経疾患といわれ、その症状としては

岡田厚生堂薬局  疲れやすい、朝起きられない、食欲がわかない、めまいがする、頭痛・腹痛、眠れない

といった肉体的症状から

岡田厚生堂薬局  イライラする、焦燥感がある、やる気がでない、不安感がある

といった精神的症状など
起こる症状はその方によって様々です。

 

どのようなタイプの方に症状が起こりやすいかというと、『真面目』『几帳面』『周囲への気遣いをよくする』、優等生タイプで完璧主義の方に多いといわれています。 しかし、ストレスに比較的弱く、ストレスがその方のキャパシティを超えた時にかかり易いというのが本当のところでしょう。

 

次にその原因ですが
1.  新しい人間関係がうまくいかない
2.  新しい環境に適応できない
3.  新しい環境への不安・不満・失望感
4.  目標喪失

などが考えられます。
しかしいずれにしても「心の不調和」の結果起こす心身の不調症状ですので、心の不調和を立て直すことから始めなければなりません。

 

さて、では実際に中医学(中国漢方)ではどのように考えるのか次に触れてみることと致しましょう。

 

中国漢方医学では「心の病の原因」を七情の過不足から起こると考えています。
例えばストレスを受け、絶えず体が緊張にさらされていると心はイライラし、また逆に心配したりするものですが、このような心のバランスの乱れを中医学(中国漢方)では気のめぐりが滞る「肝気郁結(かんきうっけつ)」状態と考え、肝気郁結(かんきうっけつ)の改善を試みるのです。

 

五月病は中国漢方医学でいうと、肝の支配下でスムーズに流されるべき「気」「血」「水」が体の各所で滞った状態とみることが出来、結果的に五月病を起こす主な原因が肝気郁結(かんきうっけつ)によるとみることが出来るのです。

 

それでは最後に肝気郁結(かんきうっけつ)を含め、五月病にはどのような漢方薬を用いるのか、紹介することといたしましょう。

 

岡田厚生堂薬局  五月病に対応する漢方処方

岡田厚生堂薬局  加味逍遙散(かみしょうようさん):
滞った気を巡らせ、不足した血を補う。イライラタイプの方に。
岡田厚生堂薬局  開気丸(かいきがん):
気の滞りがある消化器症状のある方に。
岡田厚生堂薬局  帰脾湯(きひとう):
気血を補い精神を安定、不眠の方に。
岡田厚生堂薬局  逍遙丸(しょうようがん):
怒りっぽい、うつ気分、目の充血、お腹にガスが溜まるなどの症状を解消し、気の滞りの改善に。
岡田厚生堂薬局  天王補心丹(てんのうほしんたん):
ストレスによる五臓六腑の心と腎のバランスの乱れに。のどの渇き、動悸、不安、恐怖、多夢、足裏のほてりなどの改善に。

 

五月病に用いるその他の漢方処方は、
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、柴朴湯(さいぼくとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、柴苓湯(さいれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
などです。

 

いずれにしても、春の気候的特性は肝に影響を与え、自律神経系を乱しやすく、五月病などの神経疾患を誘発しやすいので、肝郁系タイプの方は要注意といえるでしょう。

それでは今回はこの辺で。

 

店主(北京中医薬大学日本校卒業)

 

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