季節の地産食物の恩恵

2010年6月

地産地消(ちさんちしょう)は、地域生産地域消費(ちいきせいさん・ちいきしょうひ)の略語で、地域で生産された農産物や水産物をその地域で消費することをいいます。 昨今、流通過程が短いため産地偽装がしにくい、CO2削減、などのリスクヘッジの観点から推進されていますね。

地域の食べ物を、季節ごとに味わうことは、実は中医学(中国漢方)の観点からもわたしたちの体に良いことづくめなのです。

 

【輸入食品・ハウスもの・加工食品・冷凍食品】
輸入食品・ハウスもの・加工食品・冷凍食品など、およそ気候風土から離れた食生活を恒常的に送ると 食養の基本である季節のもの、身近でとれたものを食すという原則からはずれることとなります。

体は陰陽失調(陰陽というバランスの崩れ)を起こし、この結果脾胃(ひい=消化器系統)をこわし、自然治癒力、抵抗力を低下させて行く事につながります。

また、冷凍食品なども常食するとなると脾胃を冷やす事となり、その結果、湿邪(しつじゃ)・熱邪(ねつじゃ)という病理産物をつくって行く事となります。

厚生労働省が推進している1日30品目以上をバランスよく食べるという運動も、これだけ遠方の食材、輸入品、加工食品などが出まわっている現状では陰陽失調を起こさない食べ方をするのはまず無理でしょう。やはり食養の基本は、

 

岡田厚生堂薬局  身土不二
自分の住んでいる近い範囲で、その季節にとれた自然のもの。

岡田厚生堂薬局  一物全体
野菜なら葉から根まで、魚なら頭からシッポそして骨ごと。

岡田厚生堂薬局  陰陽
食物には食性がある。食物の食性(熱性・温性・平性・涼性・寒性)と自分の体質を考えて。

岡田厚生堂薬局  腹八分
少食、腹八分目、よく噛む。

 

という事になるのです。
この様に現代の日本では発病原因が飲食を含めて悪しき日常生活の習慣にあることを、ほとんどの人は気づいていません。 そして更に問題なのは専門家と言われる人がその間違いを指摘できずにいるという事です。

 

【農薬・食品添加物・環境汚染・シックハウスなどの各種化学物質】
物質によって害するところは違いますが、上記の共通点として腎(じん)という内分泌に関わる系統、そして免疫に関わる系統を損傷する事となり、近年話題となっているそれ等によるアレルギー症状も中医学から考えれば、風毒(ふうどく)や湿毒(しつどく)によるものと考えられるのです。

ここで極く微量の化学物質に対して過敏に反応してしまう「化学物質過敏症(シックハウス症候群)」について記してみる事と致しましょう。

化学物質過敏症の発症原因とされている物質は企業が作った建材、塗料、壁紙などの接着剤に含まれた有機化合物によるとされていますが、それ等物質に感作して、どの様な症状を表わすのか列挙してみましょう。

 

岡田厚生堂薬局  目の痛み、頭痛、吐き気、アトピー性皮膚炎
岡田厚生堂薬局  身体疲労、ストレス、情緒不安定
岡田厚生堂薬局  筋肉痛、関節痛、咽喉の痛み
岡田厚生堂薬局  微熱、下痢、不眠など

 

アレルギーという体質的ひずみを持った人に現われる過敏症状というだけにとどまらず、前記の症状からもわかる様にいかにそれ等が人体を傷害するかがおわかりいただけましょう。

それでは最後にそれ等によって損われる腎とは、東洋医学的にどの様なものを指しているのかにつきふれてみる事と致しましょう。

 

★腎の七つの働き★
中医学でいう「腎」は単に腎臓の働きをさすのではなく、脳下垂体、副腎、性腺、甲状腺、膵臓などのホルモン系や、泌尿生殖器の働き、免疫に対する働きなども含まれ、五臓の根源ともいうべき重要な臓(系統)とされています。

 

岡田厚生堂薬局  精を蔵し、発育・生殖をつかさどる(精という人体の根元のエネルギーを蔵す)

岡田厚生堂薬局  水液をつかさどる(水分の代謝に関わる)

岡田厚生堂薬局  納気(吸気)をつかさどる(呼吸の吸気をつかさどる)

岡田厚生堂薬局  骨をつかさどり、髄を生み、脳に通じる
(骨髄の働きを強化する、歯を丈夫にする、脳の働きを良くする)

岡田厚生堂薬局  耳の働きに関与する(耳の機能を活発にする)

岡田厚生堂薬局  二陰をつかさどる(大小便を正常にする、性機能を活発にする)

岡田厚生堂薬局  その華は髪にある(髪を黒々と保つ)

 

いかがでしょう。西洋医学で言う腎臓の働きとはずい分違うという事がおわかりいただけたでしょう。 そして前記物質を恒常的に摂取又吸引する事により、腎を損傷して行く訳ですから、私達は日頃からご自身そしてご家族の健康管理にもっと注意を払うべきでしょう。

予防・養生の事、又病気でお困りの事、何でもご相談下さい。真剣に御指導致します。

 

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