血液がいつもサラサラと流れていれば良いですが、何らかの原因によって血液の流れが滞ってしまうことがあります。中医学(中国漢方)では、血液の流れが滞った状態をおけつといいます。
血液の流れに起因する病気が多数あることは、各種メディアの報道からも周知の事実と思います。
血液サラサラで毎日元気!のためにできることをご案内したいと思います。
こんな症状、ありませんか?
おけつの三大特徴は、痛み・しこり・黒ずみです。
□ お肌の色がくすんでいて、シミ・そばかす・クマが多い。
□ 唇が紫色、舌の色が暗紫色または紫色のシミがある。
□ 慢性的な頭痛、肩こり、生理痛がある。
□ 下腹部に鈍い痛みがある。
□ 胸の圧迫感、または刺すような痛みがある。
□ アザができやすい。
□ 手足がしびれる。
□ 物忘れしやすい。
□ おなかや足の静脈が浮き出ている。
□ 生理に血の塊が混じったり経血が黒っぽい。
□ 便が黒っぽい。
□ ポリープや腫瘍がある。
代表的な病気
以下のように多くの病気がおけつと関わりをもっています。
認知症
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作などの脳疾患
心筋梗塞、心不全、狭心症などの心疾患
高血圧、高脂血症、動脈瘤、動脈硬化などの血管疾患
にきび、アトピー性皮膚炎
神経痛、リウマチ、関節痛、筋肉痛
おけつの原因
現代の生活スタイルはおけつを作りやすい環境にあるといえます。
エアコンに頼りすぎることで、知らずに免疫力を低下させている。
デスクワーク、車や電車の移動、多忙による運動不足
働きすぎやプレッシャーによる心身の過労
職場環境や家庭環境によるストレス
ファーストフード、コンビニ、飽食などによる食事の不摂生
お酒の飲みすぎ、高脂肪・高カロリーの食事の食べ過ぎ
季節を無視した服装
あなたはいくつ当てはまりますか?
このような生活を続けていると血液の質を悪くさせ、新陳代謝を低下させ、免疫力も低下させるため、知らないうちに病気になりやすい体を作ってしまうことになります。
特にストレスを軽視し、どんどん溜め込んでいく行為は、起爆装置を育てているようなものです。
ストレスが体の表面に症状として表れるのは、既にストレスの元がなくなった後に多いです。つまり円形脱毛症やじんましん、高熱、といった症状が表れるまで我慢してはいけないのです。
中医学には『気は血の帥(すい:管理者)であり、血は気の母である』という言葉があります。
気(生命エネルギー)と血は互いの働きに影響を与えます。ストレスにより気の流れが滞れば、血の流れも滞ってしまう、という事です。
気と血がスムーズに流れるためには肝臓の働き具合がポイントになりますが、肝臓はストレスに大変弱く、ストレスが溜まると肝の機能はすぐに悪くなってしまい、気血の流れの停滞を招きます。
高い緊張状態が持続すると血中コレステロール値が増加したり、ストレスが交感神経を介して中性脂肪を血中に遊離させた結果、血液粘度を上げ血液を固まりやすくさせることなどもわかっています。
適度な緊張感、適度なストレスはメリハリのある生活に必要ですが、許容量を越すとあらゆる病気の引き金になります。適宜解消していきしましょう。
おけつのタイプ
元気不足の
気虚(ききょ)タイプ
疲れやすい、食が細い、風邪をひきやすい人です。気を補う方法で対応します。
血液不足の
血虚(けっきょ)タイプ
立ちくらみ、眠りが浅い、顔色が白い人です。良い血を補う方法で対応します。
冷え・寒がりの
陽虚(ようきょ)タイプ
手足が冷たい、冷え性の人、体を温める方法で対応します。
潤い不足の
陰虚(いんきょ)タイプ
ほてり、のぼせ、寝汗、多量の水分を摂取しても渇きがおさまらない人です。
水分代謝を正常化する方法で対応します。
イライラの
気滞(きたい)タイプ
イライラ怒りやすい人です。ストレスを緩和し、血管をほぐす方法で対応します。
ヘドロが溜まった
痰湿(たんしつ)タイプ
頭重、吐き気、胸のつかえ、体が重く感じる人です。
過剰な脂肪や水分を排出する方法で対応します。
おけつにならないための養生法
ポイント1 適度な運動
一日一万歩、といわれるように、歩くこと動くことは血流を良くし体のすみずみに酸素と栄養を行き渡らせる最上の方法です。時間がなくて難しい、という方も帰宅時には一駅遠く降りて歩く、自宅に帰ってからストレッチやヨガをする、休日には散歩をする、といった工夫をしてみてください。太極拳もおすすめですよ!
ストレス解消にもつながりますので、是非ライフスタイルに軽い運動をプラスオンして、楽しんで続けてみてください★
ポイント2 十分な睡眠
夜更かしは気(生命エネルギー)を大量に消耗します。気が不足すると「疲れやすい」「全身の倦怠感、脱力感」「心気(心臓の拍動力)が弱くなる」といった症状が表れやすく血液が前に進む力が弱くなり、[おけつ]を招きます。
夜は22時が理想ですが遅くても0時には就寝できるよう心がけましょう。ひとりひとり必要な睡眠時間は異なりますが、一般的に大人なら6~9時間の睡眠時間の確保が理想です。
ポイント3 体質にあった食生活
血液の流れに良いのは、マイワシ・サバ・アジ・うなぎ・玉ねぎ・ししとう・らっきょう・ほうれん草・トマト・紫蘇などですが、それぞれの食べものには食性というものがあります。例えば体が冷えやすい人に体を冷やす作用(涼・寒性)のあるトマトはオススメできません。自分の体質にあった食べもので、腹八分を心がけ食事を整えましょう。
【避けるもの】
* ファーストフードやスナック菓子といった油脂分の多いもの。
* 刺身や生野菜といった生もの。
* アイスや冷たいビールといった冷たい飲食。
* お酒は控え、たばこはやめましょう。
ポイント4 体質にあった漢方薬
生活スタイルや食事の見直しとともに、漢方薬のちからを少しだけ借りてみましょう。
おけつ状態を改善する方法を[活血化お(かっけつけお)]といいます。
活血化お(かっけつけお)薬としてポピュラーなのが丹参(たんじん)という生薬です。
丹参(たんじん)は、シソ科の植物でサルビアの仲間です。地中海地方のものはセージと呼ばれて古くから「長寿の万能ハーブ」として有名です(salvare はラテン語で「救う」「癒す」という意味があります)。
生薬としての丹参(たんじん)には[活血化お(かっけつけお)]と[養血安神(ようけつあんしん)]といった特徴があります。
丹参を主に、センキュウ・シャクヤク・コウカ・モッコウ・コウブシの6種類の生薬から成る冠元顆粒は活血化お(かっけつけお)の強い味方です!
中医学(中国漢方)の専門スタッフが、一人一人にあった漢方薬をご案内致します!
何でもお気軽にご相談ください!