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冬場に多い膀胱炎の漢方的対応

2012/02/01

 

2012年2月        

立春を迎える2月となりました。

しかし大寒から立春にかけては一年で最も寒さが厳しくなりますので、
厳寒の邪気に侵されませんよう、充分に注意いたしましょう。

 

さて、冬に起こりやすい病気といえば、まず風邪流行性感冒(インフルエンザ)、そして重いところでは狭心症心筋梗塞などの心疾患、また脳血管疾患などが起こりやすくなります。

 

これらの疾患はいずれも寒さにより血管が収縮し、血行が悪くなり発症しやすくなるので、普段から血行を良くし、体全体の免疫力を低下させないよう予防そして養生をしましょう。
(※おけつのはなしをご一読ください)

 

今回は冬に起こりやすい疾患のなか比較的店頭に相談の多い膀胱炎につき記していくこととしましょう。

 

膀胱炎は、膀胱が細菌感染することによって発症する疾患ですが、体が冷える冬場に多く、しかも女性に多い疾患です。

症状としては、頻繁に尿意をもよおす排尿のたびに不快な痛みや残尿感がある尿が濁る、などです。

 

女性はもともと冷え性の方が多く、尿の我慢のしすぎ、過労などで抵抗力が弱まった時などに感染しやすくなります。 現代医学の治療方法としては、抗菌剤や抗生物質などが処方されます。漢方的には膀胱炎をどのように考え、どう対応していくかをご案内いたします。

 

中国漢方で膀胱炎「膀胱内に湿(湿邪)の停滞と熱(熱邪)の停滞の両方が共存している」と考えます。これを中医学専門用語では膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)というのですが、細菌感染を原因とする現代医学とはだいぶ見方が異なるので驚かれる方も多いでしょう。

 

膀胱炎にかかりやすく、頻繁に再発を繰り返す方へは本治(ほんち)といって根本的な問題を解決する策を講じます。これに対し「今ある症状を改善する」ことを標治(ひょうち)といいます。急性の症状の場合は標治だけで足りることもありますが、本来は本治と標治の2本立てで解決していくと良いです。

 

対応する漢方薬として、まずは膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)では熱をさまし利尿をはかる猪苓湯(ちょれいとう)など、更に炎症の激しい時は竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)のような清熱解毒作用のある漢方薬が用いられます。

 

また、膀胱炎にかかりやすく繰り返す方へは気血や陽気、腎などに問題があります。

貧血気味で冷えがあり疲れやすい方、気血が足りない方へは気血を補う意味で十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)などを、足腰がだるく四肢が冷えている方、陽気が足りない方へは陽気を補う意味で八味地黄丸(はちみじおうがん)などを、そして糖尿病があり膀胱炎にかかりやすい方へは、肺・腎を滋養する意味で八仙丸(はっせんがん)などを用いて、本当の解決を目指していくのです。

 

以上が膀胱炎の漢方的対応ですが、漢方薬の選定には「弁証論治(べんしょうろんち)」といって中医学独特の物差しを使う必要がありますので、わたしども専門家によくご相談のうえお求めください。

それでは今回はこの辺で。

 

店主(北京中医薬大学日本校卒業)

 

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