2014年7月
7月を迎えました。
7月といえば梅雨から夏へ変わる移行期です。
前半は雨がジトジト、後半は暑さギラギラで悩まされる時期です。湿邪と暑邪に犯されないよう、十分注意しましょう。
さて、今月のよもやま話は「狭心症」の漢方的対応についてです。
狭心症は心臓の筋肉に酸素や血液を送る冠状動脈が硬化して、血管が詰まり、一時的に血液の流れが不足するために起こる病気で、症状としてはみぞおちから左胸部にかけて「狭心痛」と呼ばれる独特の圧迫痛の起こる病気です。
中国漢方医学では、狭心症のように心臓の血管が詰まって痛みを発する状態を【心血オ阻(しんけつおそ)】といい、冠状動脈の血液がドロドロ状態になっていることを指します。
ですから、心疾患を予防しようと思えば、まず食事習慣を改善する必要があります。
高脂肪・高タンパクなものを避け、あっさり系の野菜・豆類・海藻類、更には背の青い魚などをとるようにする事です。
こうした日常生活の節制とともに、血液をきれいにする活血化オ(かっけつかお)作用のある漢方薬を服用することです。活血化オ作用のある漢方薬には何種類かありますが、なかでも特におすすめなのが冠元顆粒(かんげんかりゅう)と、田七人参(でんしちにんじん)です。
普段これらの漢方薬を予防的に服用して、生活習慣に気を付けていけば、まず心疾患、そして脳血管疾患などの循環器系疾患は予防できるでしょう。
一般的に心疾患は冬に多いと思われますが、実は夏にも多いものです。
これから暑さに向かって血液が濃くなる季節、十分予防致しましょう。
それでは最後に狭心症の漢方的対応を記しておきますので、参考になさってください。
狭心症の漢方的対応
【冠元顆粒】 または 【田七人参】
+(プラス)
心火上炎型(しんかじょうえんがた)
・・・ 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
肝火上炎型(かんかじょうえんがた)
・・・ 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
肝気郁血型(かんきうっけつがた)
・・・ 加味逍遙散(かみしょうようさん)、抑肝散(よくかんさん)
心脾血虚型(しんぴけっきょがた)
・・・ 帰脾湯(きひとう)
心腎陰虚型(しんじんいんきょがた)
・・・ 天王補心丹(てんのうほしんたん)
肝腎陰虚型(かんじんいんきょがた)
・・・ 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
陰虚火旺型(いんきょかおうがた)
・・・ 知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
店主(北京中医薬大学日本校卒業)