2012年10月
10月となりました。
天高く、馬肥ゆる秋です。行楽に、スポーツに、最適の季節です。
健康面からいうと、肺に弱点をもっている方にとっては注意が必要な季節です。
中国医学で肺というと、鼻・咽・気管支・肺臓、そして全身の皮膚までを含み、指します。
従って肺だけでなく、鼻・咽・気管支・皮膚の不調や病気は、肺系統の病気と考えるのです。
気管支炎・気管支喘息・急性扁桃炎・アレルギー性鼻炎・蓄膿症・アトピー性皮膚炎などは肺の病気と考えるのです。
秋は以上に挙げた肺系統の病気が発症しやすく悪化しやすい季節といえます。
それでは全ての体質(タイプ)の方が秋の乾燥の気に要注意かといえば、必ずしもそうではありません。
1.血虚タイプ
2.オ血タイプ
3.気虚タイプ
4.気滞タイプ
5.陰虚タイプ
6.陽虚タイプ
7.痰湿タイプ
上記のうち、最も秋の乾燥の気に弱いのは陰虚タイプです。陰虚タイプの方は陰液の不足(虚)、つまり体の潤いが不足しているタイプです。
「のどが渇く」「寝汗をかく」「掌や足の裏が火照る」「肌が乾燥する」といった症状が表れやすいといった特徴があります。また、心身共に過労気味の方や、糖尿病の方にもこの陰虚タイプの方が多く見受けられます。
このタイプの方が秋の乾燥の気に最も注意が必要なのです。そしてこのタイプの方には秋の潤いを補給する食生活が大切です。新鮮な野菜や果物、梨や柿、ゆり根、大根、ハチミツといった肺を潤す食べものや、クコの実、白きくらげ、ゴマ、山芋、オクラなどを積極的に摂ると良いでしょう。
ということで、最後に秋の季と人体との関係を中医学的にまとめてみましょう。
■ 秋は物思いに沈む、悲しみの季節です。
これは乾燥しやすい大気の為かもしれない。
でも秋はすがすがしく、収穫の季節でもあるのだ。
いつも笑いと収穫の喜びを持ち、秋のように爽やかに過ごす。
冬への準備の為にも、この心持が大切といえるだろう。
■ カラッとした秋は肺の病気が表れやすくなる季節。
* 肺を潤して咳を止める『麦門冬湯(ばくもんどうとう)』
* 呼吸器に持病のある人は秋にも気をつけて
* 秋とは、五行論で言えば、悲しみと改革を意味する
(『四季の漢方』三浦於免著より)
それでは今回はこの辺で。。。
店主(北京中医薬大学日本校卒業)