2012年1月
ついに平成24年の幕が明けました。
皆様、明けましておめでとうございます。
今年はどんな年となるのでしょうか?
今年こそ人々の安全と平和を祈らずにはいられません。
本年も何卒宜しくお願い申しあげます。
さて、年が明けるとどのようなことに注意すべきなのでしょうか。
それは年末年始で荒れた胃腸の修復です。
年末年始はどうしても食べ過ぎ・飲み過ぎの機会が増え、胃腸を酷使するからです。年末年始の食べ過ぎに良いのは晶三仙(しょうさんせん)という漢方ハーブです。晶三仙は穀類の消化を助ける神麹(しんぎく)、麺類の消化を助ける麦芽(ばくが)、肉類の消化を助けるサンザシなどが含まれており、年末年始の食べ過ぎにはおすすめの漢方ハーブ(健康食品)です。
また、飲み過ぎにはイスクラ温胆湯(うんたんとう)あたりが良いでしょう。酒は漢方的には湿邪(しつじゃ)・熱邪(ねつじゃ)を作るので、これら湿邪・熱邪を除去する方剤が良いのです。
このように過ぎた症状に適切な漢方薬を使って体を整えていき、健康保持を図っていくことも予防という観点からみればとても大切な事です。
尚、湿熱邪の判定には舌をみてください。舌に白膩苔(はくじたい)または黄膩苔(おうじたい)という苔がのっていれば、胃腸に湿邪熱邪という邪気が停滞している証となるからです。
次に寒い時期に気をつけなければならない疾患として、脳血管疾患、心疾患などの循環器系の疾患があげられます。
循環器疾患は夏にも起こりやすいのですが、特に寒い冬場に多くなります。寒いと血管が収縮し、血液が粘りやすく、固まりやすくなるからです。
東洋医学とりわけ中国医学の立場からいうと、これらの疾患はオ血(おけつ:血行不良)との関係が深いと考えられ、その治療には活血化オ(かっけつかお:ドロドロ血液をサラサラにする)という方法が用いられます。
脳血管疾患、心疾患の改善に効果を発揮する活血化オ薬にはどのようなものがあるでしょう。
イスクラ温胆湯と同じく中成薬に冠元顆粒(かんげんかりゅう)があります。
冠元顆粒の主剤である丹参は、紫蘇科の植物で活血の働きとともに養血の働きもあるので、中国では古来より珍重されてきたものです。
冠元顆粒はこの丹参に同じく活血薬である赤芍、川キュウ、紅花などを配合し、血を推動する理気薬である木香、香附子を加えたもので、中国ではその原方である『冠心二号方』として内服剤、注射剤として多いに使われているものです。
冠元顆粒は薬理学的には、血液量を増加し、血液の粘度を下げ、脳動脈や冠状動脈を拡張させる作用があるということですから、循環器系疾患の治療や予防に多いに使ってみるべきでしょう。
それでは24年をハツラツと送れるよう、まず健康でスタートしていきましょう。
店主(北京中医薬大学日本校卒業)