冷飲・多飲の害(氾濫する体を冷やす飲料)

2010年2月        

現代の日本は経済状況が良くなった為か、冷蔵庫や自販機などが普及した為か、冷たいビール、冷たいお茶、など冷やした飲料を過度に摂る社会となってしまいました。

近頃は冷やしたビールを冷やした容器で飲むというおよそ反自然的な行為がごく普通に行われる社会状況となってしまいました。

「ドロドロ血液」を薄める?どこに行くのにもペットボトルを持ち歩き、たえず水分を補給?水を摂る事が健康につながる? 果たして、冷飲・多飲は人体のどこを傷害し、どの様に健康を損ねてゆくかについて記してみる事と致しましょう。

 

中医学(中国漢方)の理論に「脾(ひ)は湿(しつ)を悪(い)む」という言葉があります。

つまりという消化器系の生理機能は湿という邪気を大変嫌う、という事であります。

更に冷え()という邪気はの陽気(ようき=人体を温める熱の気、脾を動かす気)を損なうので、冷飲過多、あるいは多飲は結果的に脾の生理機能を損なう事になるのです。

そして更に見逃す事の出来ない事は「脾は後天(こうてん)の本(ほん)」という事であり、その「後天の本」つまり生命力とか抗病力とかに冷飲・多飲は多大な影響を与えている事であります。

では「後天の本」とはどのような事を指すのでしょうか。

中医学の理論に「先天(せんてん)の元気(げんき」と「後天(こうてん)の元気(げんき)」という概念があります。

「先天の元気」とは両親から受けついだ気で、その気は母の受胎中に子供の腎中(じんちゅう)に備わる、とされております。

一方「後天の元気」とは生まれ出てから飲食物より得られる気で、その気はの働きにより生成する、とされております。

従ってを損なう食習慣を続けていると、後天の元気を作り出すものが壊されるので、元気すなわち「生命力」「抵抗力・免疫力」等を低下させる事になり、結果的に寿命にまで影響を及ぼす、というわけです。

また冷飲・多飲によって損なわれたはその機能の一つである運化作用(うんかさよう=摂り入れた飲食物を栄養物に転化させ各臓腑に運ぶ作用)を低下させ、結果として人体各所に水滞(すいたい=水毒)をつくる事となるのですから、人体に二重のデメリットを生じさせる事となるのです。

そしてこれ等の機能低下と水滞は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、喘息などのアレルギー疾患を引き起こしている事は中医学者の間では、よく知られているところであります。

冷たいものには冷蔵庫・自販機などで冷やしたものだけに限らず、食物そのものに「寒(かん)」「涼(りょう)」などの食性(しょくせい)を持つものがある事もつけ加えておきます。

ともかく現代人は間違った食習慣を一刻も早く正し、健康で長生きする為の「脾」「腎=先天の元気が蓄えられる処」をもっと大切に保護する事を提案したいと思います。

 

岡田厚生堂薬局   現代食生活と症状との関係

生もの・冷たいものの過食
岡田厚生堂薬局  脾胃の陽気を損傷し、腹痛や下痢を起しやすくする。

 

脂っこいものの食べ過ぎ
岡田厚生堂薬局  脂っこいものは熱に変化しやすいため、イライラ・歯茎の腫れ・口内炎・便秘・おでき・ニキビなどの熱症状を出やすくする。

 

日常的に熱いものの摂り過ぎ(激辛食品・飲酒など)
岡田厚生堂薬局  胃腸に熱がたまり、便秘・痔などを起しやすくする。

 

脂っこいもの、生もの、甘いものの摂り過ぎ
岡田厚生堂薬局  湿を発生させ、湿の症状(天気が悪くなると症状が悪化する)などを起しやすくする。

 

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