夏バテの漢方的対応法

2013年9月

9月となりました。
暦の上では秋ですが、まだまだ暑い日が続きます。夏場に体力を消耗した人は、秋口になっても夏バテが抜けず、倦怠感、食欲不振等に悩まされることでしょう。
そのような方は生活習慣を正し、脾を中心とした五臓の乱れを正すと良いでしょう。

という事で、今月は夏バテの漢方(中医学)的対応について記していくことと致します。

 

中医学的には、夏バテを次の2つに分けて考えます。

1岡田厚生堂薬局  梅雨期から体調が悪くなるタイプ

2岡田厚生堂薬局  夏の間は元気に活動していて、秋口にガクッと体調を崩すタイプ

 

1のタイプはもともと胃腸が弱く、湿邪が脾胃にとりつくために、津液(しんえき)を排出する機能が低下し、不必要な水分が溜まり、体力を低下させるタイプです。

2のタイプは夏の暑さにより気と陰液を消耗し、体力を低下させるタイプです。

いずれにしても暑邪にやられやすい(しん)と、水分の摂りすぎによるの機能低下をどのように守っていくかが、養生のポイントとなります。

 

では次に、具体的にはどのような夏バテ対策があるのか記してみましょう。

まず、1の『梅雨期から食欲が低下する方』の漢方的対応ですが、漢方的には脾胃の機能を高める六君子湯(りっくんしとう)、夏には食欲を高める効果をプラスしたイスクラ健胃顆粒(けんいかりゅう)などを、また、下痢などがある時は胃苓湯(いれいとう)イスクラ健脾散(けんぴさん)などがオススメです。

また、ツボによる対応では脾と胃の機能を高める公孫(こうそん)、また三里(さんり)などを刺激すると良いでしょう。

次に、2の『秋口に疲れが出る方』の漢方的対応では、体液を補い、体の熱を冷ます働きをもつ清暑益気湯(せいしょえっきとう)、また、気と陰液を補う生脈散(しょうみゃくさん:麦味参顆粒)などがオススメです。ツボによる対応では理気の働きのある合谷(ごうこく)、そして補陰の働きのある復溜(ふくりゅう)などを刺激し、気陰を補うことが大切でしょう。

夏バテ、と言っても、ただ単に滋養強壮剤を飲めば良いというものではなく、その体の状態に応じた対応をすべきなのです。

 

それでは最後に、夏バテに対応する食養生について述べてみましょう。

まず、『梅雨から食欲が低下する方』の食養生は、消化のよいあずき冬瓜すいかはと麦白菜とうもろこしなど、余分な水分の排出を助ける食材を摂取すると良いでしょう。

次に『秋に疲れの出る方』は、気と陰液を補う作用のある、うるち米山芋しいたけなつめ、又すいかはちみつなどの食材が良いでしょう。

 

という事で、9月、夏バテのでる季節です。
以上の記事を参考に、夏バテを回復させてみてください。
それでは今回はこの辺で。

 

店主(北京中医薬大学日本校卒業)

 

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