癌との付き合い方・・・その4

2013年4月

4月を迎えました。
4月は新入学・新入社に代表されるように、新しく巣立ちの時です。明るく希望ある時です。
是非、立派な学生、立派な社会人になってほしいと思います。

さて、今月は癌との付き合い方・・・その4です。

先月は中医学での癌の発生・発展についての認識が、正気不足(免疫力低下)によることを書きましたが、今月は癌の発病因子としての実邪について書いていこうと思います。

 

西洋医学は癌(がん)の発生・発展原因を主に外部に求めていますが、中医学は主として人体内部の変調に求めています。
つまり、

岡田厚生堂薬局 気滞(きたい)(生理機能や情緒活動の停滞)

岡田厚生堂薬局 オ血(おけつ)(血行不良)

岡田厚生堂薬局 痰湿(たんしつ)(体に不要な水分)

岡田厚生堂薬局 毒熱(どくねつ)(発熱性の病毒素)

などのように、人間内部の変調・異常によって癌はおこると考えているのです。

では、それら変調・異常は具体的にはどのような事なのか、次に記してみましょう。

 

まず、第一の気滞(きたい)ですが、気滞(きたい)とは、人間のもつ七つの感情である、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚が精神的なストレスなどにより、その運行が遅くなり、滞ることをいいます。

気滞(きたい)の状態が長くなると、消化吸収機能が低下し、血のめぐりにも支障をきたすことになります。

このような時に各種の発癌因子に遭遇してしまうと、腫瘍へと発展する可能性が考えられるのです。

 

次に、オ血(おけつ)ですが、オ血(おけつ)とは血液の流れが悪くなり、その為に体の中に悪い血が滞った状態を指すのです。オ血(おけつ)状態が発生すると、血の流れ、また、気の流れ、水の流れが悪くなり、それによって様々な症状が現れます。

 

次に、痰湿(たんしつ)ですが、正常な状態では、水は人体に吸収され、体に有用な水分(津液)となって、体を滋養するのですが、飲の不摂生、感情の乱れ、過労、運動不足などの原因により、脾・肺・腎の機能が低下し、その結果、病理的な水分が滞り、気血の運行を妨げることになるのです。

 

最後に、毒熱(どくねつ)ですが、感染などにより、また、未消化物の発酵などにより、体の内部に毒熱が発生すると、津液・血液が滞る状態となり、臓器の気血の運行を妨げ、腫瘤をつくることになるのです。

 

以上、発癌について夫々解説してきましたが、実際はその原因はひとつだけという事はなく、数種の原因が絡み合うことにより、発癌あるいは進展するのです。

これ等でもおわかりのように、癌は、タバコ・カビ毒・おこげ、といった外部から入るものによりおこるだけでなく、寧ろ内部の気・血・津液の流れの異常によりおこる、と中医学では考えているのです。

 

まとめると以下のようになります。

癌の形成は、

気滞・血オ・痰湿・毒熱(実邪)

プラス

気虚・血虚・陰虚・陽虚(正気不足)

それではまた来月。

 

店主(北京中医薬大学日本校卒業)

 

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