癌との付き合い方・・・その6

2013年6月

6月となりました。
さわやかな5月の季節からうっとうしい梅雨の季節を迎えます。
湿邪の影響を受けて起こり易い頭痛、神経痛、胃腸炎などを起こさぬよう、体調管理に充分注意をいたしましょう。

さて、今月のよもやま話は癌との付き合い方・・・その6です。

今年の一月より書き始めてきました『癌との付き合い方』も、もう少し続け、次のテーマに移っていこうと思っております。今しばらくお付き合いください。

という事で、今回は癌治療に於いて西洋医学の治療法と中医治療をどう組み合わせていくか、について書くことと致しましょう。

 

癌の西洋医学の治療法は、

1.手術療法
2.放射線療法
3.化学療法

などが主ですが、このうち今回は手術療法に限って書いていくことと致しましょう。

 

癌の手術、というと、誰でも精神的な動揺に対して、その動揺を鎮めるべくケアする事から始めます。つまり、中医のケアは手術前手術直後回復期と、きめ細かく対処していくのです。

そこでまず手術前のケアですが、一般的に癌の手術は大手術になることが多いので、患者さんには体力と気力が要求されることになります。

従って、中医学のケアとしては気血陰陽を整え、内臓機能を促進し、手術の恐怖を取り除き、より良いコンディションをつくる事を目的に準備をします。

その為、使う薬としてはキヨーレオピン・レオピンファイブ・レオピンロイヤルなどの滋養強壮、また、緊張や恐怖心理を和らげるために逍遙丸(しょうようがん)やエコックW(エゾウコギ製剤)などを、更に癌の進行のスピードを抑制する目的で、白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)やシベリア霊芝、紅芝泉(こうしせん)などを使用します。

 

次に手術直後は組織が切除され、体のダメージが大きく、陰陽のバランスが崩れているので、そのバランスの崩れを回復させる目的で、キヨーレオピン・レオピンファイブ・レオピンロイヤルなどの滋養強壮、香砂六君湯(こうしゃりっくんしとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの、益気健胃(えっきけんい)薬を使用するのです。

また、術後の痛みの回復には、血流を改善し痛みを止める目的で、冠元顆粒(かんげんかりゅう)や田七人参などを使用します。

 

最後に回復期ですが、体内に残っているかもしれない邪気(癌細胞)と闘う患者さんの正気をあげる為に、レオピン類、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)などを、精神不安などの場合には、逍遙丸(しょうようがん)、温胆湯(うんたんとう)などを、血行不良などがある場合は冠元顆粒(かんげんかりゅう)、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)などを使用するのです。

 

という事で、漢方及び自然薬のもつ陰陽の調整作用、血流促進作用、自然治癒力増強作用を、上手く活用すれば、その時々に応じて更に良い手当てが出来ると思うのです。(中西医結合)

それでは今回はこの辺で・・・。

 

店主(北京中医薬大学日本校卒業)

 

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