生活習慣病とは、文字通り毎日のよくない生活習慣の積み重ねによってひき起こされる病気です。
日本人の死亡原因のおよそ2/3が生活習慣病に起因しています。【※厚生労働省発表による】
生活習慣病には以下のようなものがあります。
糖尿病
脳卒中
心臓病
高脂血症
高血圧
肥満
糖尿病
糖尿病の指標は以下のとおりです。
空腹時血糖 ≧ 126mg/dL
随時血糖値 ≧ 200mg/dL
75gブドウ糖負荷試験での2時間値 ≧ 200mg/dL
(※ブトウ糖を飲みながら経過を調べる試験)
HbA1c ≧ 6.5%
(※過去1~2ヶ月の血糖値)
糖尿病は、糖代謝の異常によって起こるもので、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まることによって、放っておくと 心筋梗塞・脳障害・高血圧・末梢神経障害・糖尿病性網膜症・腎症(透析に至る)などの合併症をきたす危険性のある病気です。
自覚症状がない場合でも確実に進行・発症します。
中医学(中国漢方)では糖尿病は気陰両虚とお血が基本にあると考えます。ひとりひとりの体質や進行過程に応じて漢方薬を組み合わせ、養生方法も併せて対応します。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管がつまったりやぶれたりして、細胞に栄養が届かなくなり細胞が死んでしまう病気です。
一時的な半身麻痺や手足のしびれ、ものが二重に見える、言葉がすぐにでてこない、といった前触れ(この時、脳の血管は一時的に詰まっている状態)がある場合もありますが、これに気付かず放っておくと、本格的な発作につながります。
急に倒れて意識を失ったり、ろれつが回らなくなったり、半身麻痺状態になった場合は治療やリハビリで回復することがありますが、回復が難しく寝たきりになったり、再発作が起きて命を失うこともあります。脳卒中の発作には以下のようなものがあります。
脳梗塞
脳出血
くも膜下出血
一過性脳虚血発作
中医学では、お血(おけつ)が基本にあると考え、対応します。
※ひとりひとりの体質や症状、環境等により対処方法は異なることがあります。
心臓病
心臓病にはいろいろな病気があります。
虚血性心疾患・・・動脈硬化が原因の生活習慣病のひとつ。狭心症・心筋梗塞など。
先天性心臓病・・・生まれつき心臓に問題がある心房中隔欠損・肺動脈狭窄など。
脈の乱れ・・・不整脈・心房細動・心室細動・房室ブロックなど。
心筋・心臓弁膜・心膜の病気など。
その他・・・心肥大・精神的な原因から起こる心臓神経症など。
狭心症は短い発作なので、静かに休んでいれば落ち着き、また特効薬もありますが、心筋梗塞は心臓の血管の詰まりが長く続く為、血液が流れず心筋の細胞が壊れて死んでいきます。 一気に多くの細胞が壊れてしまえば死に至ることもあります。
心臓病になりやすい人(冠動脈硬化の危険因子)としては以下の4項目が明らかになっています。
■ 高血圧
■ 高脂血症
■ 喫煙
■ 高血糖
中医学では、お血(おけつ)、気滞(きたい)、気虚(ききょ)、陽虚(ようきょ)、陰虚(いんきょ)などが基本があると考え対応します。
※ひとりひとりの体質や症状、環境等により対処方法は異なることがあります。
高脂血症
冠動脈硬化の危険因子のひとつ、高脂血症(脂質異常症)というのは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(代表的なものはトリグリセリド)が、多過ぎる病気のことです。
高脂血症の指標は以下のとおりです。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール) ≧ 140mg/dl
善玉コレステロール(HDLコレステロール) ≦ 40mg/dl
中性脂肪(トリグリセライド) ≧ 150mg/dl
(※空腹時採血)
血液中にはコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類の脂質が含まれています。 血液中の脂肪が異常に増えても、自覚症状はほとんどないため、検査の機会でもない限りそのまま放置することになります。 体の中では増えた脂質がどんどん血管の内側にたまって、動脈硬化になっていきますが、まだ自覚症状はおこりません。 心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こして、やっと高脂血症とわかるわけです。
高血圧である、喫煙者である、糖尿病である、男性45歳以上または女性55歳以上である、心臓病の家族がいる、善玉コレステロールが少ない、という方は、ぜひ注意してください。 偏った食生活や運動不足、また喫煙や糖尿病などにより、血中脂質値が上昇した状態の場合、食生活の見直しや軽い運動の習慣化によって、改善の見込みがあります。 先天的な代謝異常などによる場合の改善は、かなり難しいとされています。発見されたらすぐ(出来れば子どものうちから)治療をはじめてください。
中医学では、お血(おけつ)と気滞(きたい)が基本にあると考え対応します。
※ひとりひとりの体質や症状、環境等により対処方法は異なることがあります。
高血圧
高血圧の指標は以下のとおりです。
収縮期血圧(最高血圧) ≧ 130mmHg
拡張期血圧(最低血圧) ≧ 85mmHg
(いずれか、または両方)
どんな検査をしてもはっきりとした原因が見つからない高血圧、二次性高血圧ではない高血圧を、本態性高血圧といい、日本人の高血圧の多くはこの本態性高血圧です。 つまり原因不明の高血圧というわけです。高血圧も自覚症状がありません。検査を受けて医師に「高血圧だから気をつけてね」と指摘されても普段の生活に支障がない限り放置してしまう方が多いのが現状です。しかし、自覚症状がなくても長い年月をかけて少しづつ血管を蝕んでいくのが高血圧です。
高血圧は放置すると、血管が硬くなる動脈硬化になったり、のちに虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳卒中などの発作を起こすおそれがあり、命にかかわる事もあります。
高血圧になりやすくする危険因子は以下のとおりです。多く当てはまる人は当店へご相談ください。
■ 遺伝、肥満、耐糖能異常(糖尿病予備軍)
■ ストレスを感じる事が多い
■ 喫煙をする
■ 塩分の多い食事、味が濃いのが好み
■ 飲酒の習慣がある
遺伝性についてですが、両親揃って高血圧の場合、子供が高血圧になる確率は50%ほど、片親だけが高血圧の場合、30%ほどと言われています。 しかし遺伝性があっても、生活環境で是正できると言われており、逆に遺伝性がない場合でも、不摂生な生活をしていれば高血圧になってもおかしくない、という事です。
中医学では、お血(おけつ)、痰湿(たんしつ)などが基本にあると考え対応します。
※ひとりひとりの体質や症状、環境等により対処方法は異なることがあります。
肥満
医学的に「肥満」という場合、見た目ではなく体内の脂肪が一定以上に多いことを指します。
肥満の判定は、身長と体重から計算されるBMI(Body Mass Index=肥満指数)という数値で行われています。計算式は体重(kg)÷【身長(m)×身長(m)】です。
【例】
身長160cmで体重が80Kgの場合、80÷(1.6×1.6)=31.25 → BMI値
BMIの計算式は世界共通ですが、判定基準は国により異なります。WHOでは25以上を「標準以上」、30以上を「肥満」と定めていますが、 日本肥満学会では、以下のとおり細かく定めています。
● 18.5未満 → 低体重
● 18.5以上25未満 → 標準
● 25以上30未満 → 肥満(1度)
● 30以上35未満 → 肥満(2度)
● 35以上40未満 → 肥満(3度)
● 40以上 → 肥満(4度)
BMI値が25以上の場合、肥満ということになりますが、この数値は肥満に関連が強い高血圧・高脂血症・糖尿病にかかりやすくなるからなのです。
つまり、BMI値が25以上の場合は血圧・血中コレステロール・血糖値に今異常がなくても十分注意する必要があるということです。
また、肥満の遺伝性自体は低く、食生活や生活環境の影響のほうが強いようです。
肥満の方、肥満傾向の方はまず食生活の見直し、運動量の見直しを行いますが、中医学では代謝や気血津液(き・けつ・しんえき)の流れも関係すると考えます。 漢方薬で太りやすい体質を改善する事も視野に入れながら対応していきます。是非ご相談ください。
生活習慣病と一口に言ってもそれぞれの症状や対応は様々です。
自覚症状がなくても、確実にからだを蝕んでいく病気。
サイレントキラーと向き合い、解決するにはまさに【未病先防(みびょうせんぼう)】が大切です。
気になることがある方、心配な方は是非、一度お気軽にご相談ください!