スギやヒノキ、ブタクサなどの植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触したとき、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ・充血といったアレルギー症状を起こすことを花粉症といいます。
枯草熱(かれくさねつ)とも呼ばれています。
サラサラの水っぽい鼻水や目のかゆみが特徴で、屋外のほうが花粉が多いので症状が強くなる傾向にあります。(遅発相といって6~10時間後に症状が起こる場合もある)
花粉の飛散時期
アレルゲンとなる花粉の原因植物には、スギ・ヒノキ・イネ・シラカンバ・ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどがあります。実は花粉は一年中飛散しています。日本が欧米に比べてブタクサ花粉症の方が少ないのは、ブタクサは草丈も低く飛散距離が短いからといわれています。

「もしかして花粉症?」と思ったらアレルギー検査(皮内テストや鼻汁中好酸球数検査など)などを受ければ、自分がどの植物の花粉症なのかがわかります。
花粉症は治せる?
現代医学では花粉症を治すというより、花粉症の症状を緩和し、花粉飛散時期をやり過ごす、という方法が一般的です。
ですので、花粉を寄せ付けない、取り込まない、ということも必要になり、次第に過敏になり、神経的にまいってしまう方も多くいらっしゃいます。
鼻水・鼻づまり・目のかゆみといった症状が、イライラ・精神不安定・不眠といった二次的な症状につながることも多く、ですから花粉症とは決別したほうが良いでしょう。
そもそも花粉症は、花粉を体に害のある敵とみなし排除しようとして、鼻水やくしゃみ、涙で洗い流そうとする免疫システムの発動です。
花粉を敵とみなすかどうか、どのくらいの敵とみなすかどうか、その差が花粉症の症状の程度に表れます。つまり「絶対に体内に侵入させない!」気持ちが強いほど花粉症の症状も重症化するということです。
中医学で考えると、これは免疫システムの崩壊です。
衛気(えき)のお話
中医学では、からだを構成する気・血・津液(き・けつ・しんえき)のバランスが崩れることにより病気になる、と考えます。
このうち気には、元気・衛気(えき)・営気(えいき)・宗気(そうき)といった種類があり、それぞれの役割が決まっています。体表部をめぐり、からだを外邪から守る役割を担っている気は衛気(えき)です。
つまり免疫システムの崩れは、衛気(えき)の低下によるものです。衛気(えき)を強化し、からだのバランスを整えることで免疫システムを正常化すればよいというわけです。
衛気(えき)を低下させる生活習慣
暴飲・暴食・過食・偏食
ファーストフード、コンビニ食、レトルト食品、冷凍食品の摂取量が多い
冷暖房のきいた部屋に長時間いる
職場や家庭でのストレスが多い
がまんすることが多い
0時以降に就寝、または睡眠不足を感じている
寝すぎ、または朝8時以降に起きる
旬の野菜・果物をあまり摂らない
お酒、たばこ、香辛料のとりすぎ
衛気(えき)を高める玉屏風散(ぎょくへいふうさん)
玉屏風散(ぎょくへいふうさん)とは、良いものは通し悪いものは通さない屏風(びょうぶ)のような、という意味です。玉は「貴重なもの」という意味です。
岡田厚生堂薬局では、玉屏風散の処方で、イスクラ衛益顆粒(えいえきかりゅう)を用意してございます。イスクラ衛益顆粒は、オウギ・ビャクジュツ・ボウフウという植物性生薬が一番バランスの良い比率(3:1:1)で構成されています。
何らかの原因で崩れてしまった免疫バランスを整えるのに、最もおすすめの漢方薬です。
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風熱タイプと風寒タイプ
花粉症には、風熱タイプと風寒タイプの2タイプがあります。
鼻水が粘っこい
よく鼻がつまる
のどが痛い、痒い
皮ふ表面や内側に痒みを感じる
目が充血している
のどが渇きやすい
フジビトール
鼻淵丸(びえんがん)
天津感冒片(てんしんかんぼうへん)
目の充血・かゆみには
香菊花(しゃんきくか)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
肝系の炎症に
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
など
無色透明の鼻水で量が多い
寒気、悪寒がする
のどの痛みがない
目の充血はない
くしゃみが多い
冷え症で元気がない
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
葛根湯(かっこんとう)
葛根湯加辛夷川キュウ(かっこんとうかしんいせんきゅう)
目の赤みがあまりない
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
など