夫の定年退職後、やっと夫婦でゆっくりできる時間がもてるようになったのに、体調不良に悩まされるようになった奥様、それはもしかしたら夫源病(ふげんびょう)かも知れません。
夫の帰宅時間になると、または夫が家にいると頭痛・めまいが起こる
夫が出張、旅行などで家を空けると頭痛・めまいが治る
夫の言動が原因で、のぼせ・ほてりがおこるといった症状、ありませんか?
昔から夫は妻に先立たれると死亡率が高くなる、といわれていますが、妻は夫が長生きなほど死亡率が高くなる、といわれています。
ご主人からすれば意外に思われるかも知れませんが、奥様からすると「確かに・・・」と納得される方も多いのではないでしょうか。
夫にとっては妻が頼り、母親のような存在がいなくなることは完全な孤独を意味し、精神的なショックはもちろん、生活するうえで欠かせない毎日の食事やゴミ出しの分別から、靴下はどこ?印鑑はどこ?消耗品はどこで買えばいい?など、細かな事が色々と負担となって病気になってしまったり、引きこもってしまったり、そうして段々と生きる気力を失っていくと実感される方も多いのだそうです。
逆に、夫が定年退職をして家にいる時間が長くなってから、次第に体調不良になっていく妻が多くなっています。
夫の言動が原因で体調不良になることを夫源病(ふげんびょう)と名付けたのは、医学博士の石蔵文信さん(ホームページはこちらです)です。
代表的な症状は、情緒不安体・慢性的な疲労感・不眠・頭痛・全身の痛み・動悸・眩暈などで、精神的、また、肉体的に体調を崩してしまうのです。
更年期と似ている?
情緒不安体・慢性的な疲労感・不眠・頭痛・全身の痛み・動悸・眩暈といった症状は更年期と似ていますね。
更年期の諸症状の主な原因はホルモンバランスの乱れによるものです。
女性は七の倍数なので、おおよそですが、49歳が閉経とすると前後5年なので44歳~54歳くらいの期間が更年期となります。
一方、夫源病(ふげんびょう)の大きな原因は、夫の言動によるストレスです。
中医学には、同病異治(どうびょういち)という言葉があります。同じ症状でも原因が異なれば対応方法も違う、という意味です。
例えば頭痛という症状でも、風邪の頭痛と夫源病の頭痛とでは、原因が異なります。風邪の頭痛は鎮痛剤で解決できるかも知れませんが、夫源病が原因の頭痛を鎮痛剤で仮にその場はしのげたとしても、根本的な解決には至りません。繰り返し繰り返し頭痛に悩まされることになります。
ですので、更年期の諸症状と症状は似ていても、原因は若干違いますので、対応方法も異なります。夫源病の諸症状は長引くと血管壁がもろくなったり、血栓ができやすくなったりして、心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化につながる可能性もあります。
夫源病になりやすい夫婦
夫が亭主関白
自分が家族を養ってきたという思いが強く、妻を家政婦扱いする。妻の行動をチェックし管理しようとする。趣味が少なく、友達が少ない
夫婦どちらか、または夫婦共に趣味が少ない、または気兼ねなく話せる友達が少なく、友達と出かける事も少ない。家事は妻の仕事だと思い込んでいる
妻ががまん強く、家事を全てやらなくてはいけないと思い込んでいる。または夫は家事は全て妻の仕事だと思いこんでいる。世間体を気にする
世間体を気にして、夫婦ともにお互いへの不満を誰にも言えないでいる。几帳面である
全てにおいてしっかりやらないといけない、手を抜いてはいけない、という思いがある。
ストレスとオキシトシン
もともと男性より女性のほうがストレスに強いという傾向があります。
出産や子育てに関連するオキシトシンというホルモンがありますが、オキシトシンは免疫力を向上させる幸せホルモンとも呼ばれていて、仕事でくたくたになって帰ってきても子どもの世話を積極的にしたり、友達同士でのおしゃべりを楽しんだり、といった一連の流れにオキシトシンが関係しているといわれています。
オキシトシンはストレスに強くなるホルモンですが、子どもとのスキンシップや友達と他愛ない会話をすることでも分泌されます。つまり、仕事で溜まったストレスも子どもの世話をすることで癒されるというとても素晴らしいバランスを保っているのです。
ところが、子どもの独立によってオキシトシンが分泌される機会が失われ、更に夫の定年退職によって夫婦の時間が増える一方で友達との会話も減り、またここでもオキシトシンの分泌機会が失われていくのです。
夫源病の改善方法
夫婦でコミュニケーションをとりましょう
お互いを思いやりましょう
「ありがとう」「ごめんなさい」を言いましょう
対話は当たり前、不満はお互いに言いあいましょう
ストレス解消法を作りましょう
友達と旅行に行きましょう
更に昨今では、妻源病というものもあるそうです。
夫より妻のほうが収入が多い、妻からストレスをかけられる、じゃまもの扱いされる、といった事が原因のようです。もちろん、ストレスにおすすめの漢方薬やサプリメントもございます。
自分だけで抱えこまず、お気軽にご相談にいらしてください。
※ひとりひとりの体質や症状によって、おすすめの漢方薬が異なります。
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