夏になると、虫刺されが気になりますよね。
少しなら血を吸っていいから、かゆいのは勘弁して!なんて、言っていられないのが、虫刺されによる感染症です。2014年夏、160名を超える感染者を記録したデング熱、そもそもはデング熱に感染した方によって海外から日本に持ち込まれたとみられています。
そしてマダニによるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、2011年にはじめて特定されたウイルスで、以前から日本に存在していたと考えられていますが、特定後は全国でおよそ596名の感染者(2021年4月時点)うち76名の死亡が確認されているということです。(参照:国立感染症研究所)
デング熱、マダニによるSFTSだけでなく他にも、デング熱に似た症状のチクングニア熱、MERSコロナウイルス、鳥インフルエンザ、マラリア、エボラ、ポリオ、コレラ、ペストなど、世界では様々なウイルス感染症が猛威をふるっています。
デング熱をはじめこれらの感染症についての知識を集めたり、予防対策をきちんとする必要があるのはなぜでしょう。
現在は、世界中の方々が日本へ訪れたり、日本から世界中あらゆる国々への行き来が当たり前になっています。
今まで日本で流行したことのないウイルス感染症でも、現代は流行する可能性はあります。自分の身は自分で守る!しっかりとした予備知識と対策を考えていきましょう。
デング熱
デングウイルスによる感染病です。
デングウイルスに感染したヒトスジシマカに刺されることによって感染します。ヒトからヒトへの感染はありません。デングウイルスには1型2型3型4型があり、一般的な症状はデング熱と呼ばれ、蚊に刺されてから3日~7日で、40℃近い高熱が一週間続く、頭痛、熱の下がりかけに発疹、といったものです。
しかし、出血症状を伴うデング出血熱(DHF)や、デングショック症候群と呼ばれる病態もあります。2014年8月の東京代々木公園を中心としたデング熱流行は、日本国内では実に69年ぶりの流行となります。もともとは主に東南アジア、中南米、アフリカ、カリブ海諸国など100ケ国以上の国で発生しています。
尚、蚊は冬の間一旦死ぬので、2014年夏の蚊は残っていませんが、海外旅行者などにより再び持ち込まれる可能性はあります。
デングウイルスに感染した蚊に刺されないことが一番の予防方法です。
また、ヒトスジシマカはほんのわずかな水たまりにも卵を産む為、植木鉢の受け皿、空き缶、古タイヤなどに溜まった水はこまめに捨て、こまめにゴミの片づけをしましょう。
SFTS(マダニ)
ブニヤウイルス(SFTSウイルス)による重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
SFTSによる症状は、38℃以上の高熱、食欲不振、腹痛、嘔吐、下痢、重症化すると致死率3割ともいわれています。ウイルスを保有しているマダニによって感染、他には感染したヒトの血液や体液からの接触感染も報告されています。
ブニヤウイルス(SFTSウイルス)感染を防ぐ為にはマダニに咬まれないことが重要です。
マダニは日本全国にいますが、家にいるイエダニのおおそ10倍の大きさ(3mm~5mm)で、林や藪のなかに生息し、主に道のそばでヒトや動物が通りかかるのを待ち伏せしています。二酸化炭素を察知するセンサーのようなものを持っていて、皮膚に一度かみつくと接着剤のようなもので固定しなかなか離れません。ですが、吸着されても痛くもかゆくもないので気付きにくいといえます。
マダニに咬まれない為には緑のある場所へ出かける際には薄い色の長袖・長ズボンを着用し、露出部分をなくすこと、外出後の衣服はすぐに洗濯するかナイロン袋に入れて口を閉じておくこと、吸血中のマダニを見つけたら医療機関で処置することです。(マダニの病原体を体内へ押し込まないように慎重にはずす必要があります)
心身を整えて免疫力を高めておきましょう!
上記では、主に推奨されている予防方法を記してみました。
海外へ渡航する際には感染源や感染者に接触しないよう注意する。
蚊やマダニに刺されないようにする。これらの注意ももちろん大切なのですが、加えて、容易く感染しないよう免疫力を高めておくと良いでしょう。
現代の日本人は、生活習慣や食生活の乱れなどにより免疫力低下が見受けられるように思えます。
生活習慣の見直し+食生活の見直し+漢方薬で、強い心身を作っておきましょう!
免疫力アップ!生活習慣改善ポイント
エアコンを多用しすぎない
体を冷やさない
ストレスを溜めこまない
質の良い睡眠を十分にとる
毎日ストレッチや散歩など軽い運動を心がける
質の良い睡眠のポイント
人間は寝ている間に、日中摂った食事の栄養を吸収しやすくしたり、免疫細胞が盛んに働いてウイルスと戦ったり細胞の修復作業をしたりしています。夜遅く、電気をつけたりテレビやパソコン、スマホを観たりしていると、本来、副交感神経が優位にならないといけない時間帯に交感神経優位になり、増えすぎた顆粒球によって自分の体を攻撃してしまいます。
また、寝すぎも気を消耗し、本来交感神経が盛んにならないといけない時間帯に副交感神経優位となり、今度はリンパ球が増えすぎて自律神経のアンバランスを引き起こします。
「しっかり眠れた」
と感じられるかが睡眠の質です。
質の良い睡眠を成人であれば7~8時間とって頂けると良いと思います。「8時間睡眠だけど、朝シャキッとしない」という方は、眠る前の準備に工夫をしてみましょう。夕食やお風呂は寝る3時間前に終わらせる、テレビやパソコンは寝る2時間前には終わらせる、リラックスできる寝室環境を整えてみましょう。「心配事がある」「どうしてもうまくいかない」という方は、漢方薬もありますし、質の良い睡眠をとれるアドバイスを差し上げます。お気軽にご相談にいらしてください。
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