りんご病とは、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)のことで、ヒトパルボウイルスB19による感染症のことです。
およそ215年ほど前から感染が確認されており、1899年に伝染性紅斑という名前がつけられた歴史の古い感染症で、感染すると両頬がりんごのように鮮やかな赤色になり、少し盛り上がるので日本ではりんご病の名で知られています。
りんご病(伝染性紅斑)に感染すると・・・
りんご病(伝染性紅斑)は咳やくしゃみなどの飛沫感染で、成人になるまでに60%程度の方が抗体を獲得している(感染経験がある)、といわれています。
りんご病に感染すると、頬が真っ赤になり、一日二日たつと、腕や足の外側に紅い発疹が表れ、レース模様に広がります(※内側にはでません)。わずかに火照った感じになり、痛みやかゆみが生じます。発疹はおよそ1~2週間で次第に消えていきますが、入浴・紫外線・冷たい空気、といった外的刺激により、再度現れる場合もあります。
発熱はあまりみられなく、発熱した場合も微熱程度で2~3日ですぐにさがります。
免疫力の低い幼児や小学校低学年の子どもの間で、春先~夏にかけて流行しますが、感染力自体は弱いので爆発的に広がるということは稀です。また、2歳以下の赤ちゃんの感染はあまりみられません。
ヒトパルボウイルスB19型の潜伏期間
* 潜伏期間
およそ10日~20日間* 発症期間
1~2週間
りんご病(伝染性紅斑)を他人にうつしてしまう可能性は、自分が感染した後の潜伏期間が最も強く、発症してからは感染力は弱まります。
発症するまでの自覚症状は「ちょっと風邪気味かな」という程度なので、感染拡大をなかなか防げないのが現状です。もし、「園や小学校でりんご病が流行している」「りんご病に感染している子と遊んだ」など、感染が疑われる場合で、他の人にうつしてしまわないか心配、とわかっている場合は、マスクなどで飛沫感染を防ぐと良いでしょう。
似た症状の他の病気
注意したいのは、りんご病と似た症状のある溶連菌感染症や膠原病のSLE(全身性エリテマトーデス)です。同じように紅斑が現れる溶連菌感染症は、急性腎炎やアレルギー性紫斑病を合併することもある注意が必要な疾患です。膠原病は発症すると頬が赤くなることもあり、自らの免疫細胞が自らを攻撃することで炎症を起こし、臓器や組織を破壊する疾患です。いずれも重症化する前に早期発見・早期治療が重要です。
「りんご病だと思っていたので、膠原病の発見が遅れた」という事にならないように、りんご病か他の病気か、医療機関の検査で明らかにしておくと良いでしょう。
※りんご病(ヒトパルボウイルスB19)かどうかの検査は保険診療で行っている医療機関はないので、溶連菌の検査や診断で明らかにします。但し、妊娠中の方に限り保険診療で血液検査をしてもらえます。
りんご病(伝染性紅斑)は速やかに治しましょう
りんご病を発症しても安静にする必要はありませんが、入浴・紫外線・冷たい空気といった外的刺激を受けるとかゆみが強くなり、かきくずしたりして、皮膚の治りを遅くしてしまうので注意しましょう。
入浴は短時間にし、39℃くらいのお湯を使用する
石鹸、シャンプーは成分に注意をする(化学物質フリーが○)
紫外線に当たらないようにする
エアコンや扇風機など、冷気に直接当たらないようにする
旬の野菜たっぷりの温かい食事を摂る
冷たいもの、生ものは控える
外食、コンビニ食、刺激に強いもの、脂っこい飲食は控える
睡眠は十分とる
中医学では、子どもは伸び育つ木に例えられます。りんご病(伝染性紅斑)に最も感染しやすい子どもの体調を整えるには、食事が一番大切です。食欲がない場合は、小さく刻んだ温野菜を加えたおかゆなどにして、しっかり体力作りをしましょう。
また、理想とされる子どもの睡眠時間ですが、3歳までは12~14時間、4歳~6歳は11~13時間、7~12歳は10~11時間といわれています。睡眠が不足すると、心身が受けたダメージの回復も遅くなり、免疫力も低下します。
皮膚の状態を悪化させて治りが遅くなってしまい「なかなか治らない!」と焦らずに、お気軽に漢方の厚生堂までご相談にいらしてください。
妊婦さんへ
成人になってからのりんご病の感染では、頬が赤くならず、手足の発疹に全身倦怠感、関節痛、といった症状が出る場合もあります。また、発症期間が~3週間、と子どもよりも長くなるケースが多いようです。
妊娠12~20週のりんご病感染には充分注意しましょう。
妊娠中、特に12~20週の時期にりんご病に感染すると、おなかの中の赤ちゃんに異常が起こる可能性があります。心配されるのは胎児水腫で、これは胎児が重傷の貧血になり、体が水ぶくれのようになってしまう状態です。これは赤ちゃんの生死にもかかわり、胎児水腫の治療はおなかの中の赤ちゃんに対して行われる為、非常に難しいといえます。
母体がりんご病に感染し、おなかの赤ちゃんに感染する可能性は20%程度、更におなかの赤ちゃんが胎児水腫になる可能性は10%程度といわれています。妊娠中の方で、りんご病の抗体がないと思われる方は、幼児や小学生に不必要に接触しないように、もし、紅斑が出たら、すぐに主治医に相談してください。
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